メカニズムと作用機序①
LNCap細胞を用いた試験より、バナナエキスには男性ホルモンであるテストステロンの働きを阻害することがわかりました。
LNCap細胞を用いた試験より、バナナエキスには男性ホルモンであるテストステロンの働きを阻害することがわかりました。
またその働きは、テストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変換する5αリダクターゼを阻害することにあると推測されました。
前立腺肥大は、ジヒドロテストステロンが前立腺内の受容体に結合することで引き起こされます。テストステロンからジヒドロテストステロンへの変換を阻害することで、前立腺肥大を抑制する事が期待できます。実際にマウスの実験により、バナナエキスは前立腺肥大を抑制する事が確認されました。
また、前立腺肥大に由来するトイレの悩みを抱えた人に、バナナエキスを1ヶ月間飲んでもらい、試験前後に国際前立腺スコア(IPSS)をつけてもらったところ、ほぼ全ての人で点数が下がりました。
ジヒドロテストステロンが毛髪の毛乳頭細胞にある受容体に結合すると、脱毛に関するタンパク質 (TGF-βなど)が分泌され、毛包細胞のアポトーシスを引き起こすことで、毛の成長を抑制、脱毛を促進します。テストステロンからジヒドロテストステロンへの変換を阻害することで、抜け毛・薄毛を抑制する事が期待できます。
CH3マウス(雄・6週齢)を1週間の予備飼育後、小動物用バリカンで背部を剃毛して表皮を露出させました。
各群5匹としてコントロール群(水のみ)、バナチン250mg/kg群で比較し、毎日同一時刻に経口投与にて36日間の投与を実施しました。
評価は、一定距離からの背部写真撮影を行い、写真画像の剃毛領域にマス目を引いて発毛および育毛領域をもとに右のスコア表から数値化しました。
実験全期間のスコア結果は図1、10日目~20日目までのスコア結果は図2の通り。
最終的には全てのマウスがスコア10に近づきますが、コントロール群と比べてバナチンWP-14を250mg/kg投与群のほうが育毛スコアは高い結果を示しました。
右図は毛髪のサイクルで、正常時に比べてAGAでは成長期が短くなることが指摘されています。
今回の実験により、バナチンWP-14はAGAの成長期促進、あるいは休止期短縮などに働きかける可能性が示唆されます。
今回の実験により、バナチンWP-14はAGAの成長期促進
あるいは休止期短縮などに働きかける可能性が示唆されます。